照明器具を開発・製造する東芝ライテック(本社=東京都品川区)は5月1日より、横須賀に本社を移転する。これに先立ち4月1日付けで組織変更を行い、横須賀事業所(横須賀市船越町1)を廃止した。「事業運営と商品開発のスピードを向上させるため」(同社広報)という。
東芝ライテックは、1988年に東芝から分社して照明事業を譲渡された会社で、資本金100億円、売上高1,100億円。従業員数は2,380人。横須賀事業所は敷地面積43,000平方メートル、従来から技術本部と製造工場をもつ国内主力拠点で700人が働く。
本社移転に伴い、総務部・生産統括部・国際部が移るほか、需要拡大が期待されるLED(発光ダイオード)の開発部門を新設する。横須賀への異動は400人となる予定で、社員の半数近くが同市に勤務することになる。
同社経営企画室の秋山泰輝さんは「横須賀は研究開発の拠点。企画と技術の両部門を統合することにより、新商品の企画から開発までがスピードアップする。横須賀事業所の改築などは行わず、建物はそのまま使う予定」と話す。
横須賀市では関東自動車工業など大手企業が移転・撤退する一方で、財団法人「電力中央研究所」の研究部門が同市に集約されることも予定されている。蒲谷亮一横須賀市長は「横須賀のメリットに注目してもらえるよう努力する。東芝ライテックの本社移転は地域や商店街の活性化につながるもの」と歓迎する。