
横須賀中央駅近くの飲食店街「若松マーケット」(横須賀市若松町3)で2月22日、横須賀在住のシンガー・ソングライター・椿優衣さんとアコーディオン奏者ジェニファー・メイさんが昭和の「流し」スタイルで酒場を歌い歩くライブを行った。
若松マーケットの居酒屋「DOORs」で歌う、椿優衣さんとジェニファー・メイさん
同マ―ケットは戦後の「闇市」時代から続き、小さなスナックや居酒屋など約70店が密集するエリア。椿さんらは夜19時から約5時間かけ、8店舗を回って歌い歩いた。
「横須賀ストーリー」「かもめが翔んだ日」などの昭和歌謡やポピュラーソングを披露すると店内が沸き、投げ銭も集まった。アメリカ人が集まるベルギービール店では「カントリーロード」を英語で歌うと、全員参加の合唱になり大きな拍手に包まれた。
椿さんは横須賀のホッピー文化をオマージュしたオリジナル曲「いつかのホッピーを」も歌い、軽快なトークで盛り上げる。メイさんがアコーディオンを弾きながら、日本語と英語でフォローする連携プレーも見せた。
メイさんは米海軍横須賀基地生まれで、米国カリフォルニア育ちの日米ハーフ。洗足音楽大学卒業後、欧州航路の客船ピアニストとして年間3分の2は海外で働く。「店を何軒も回るスタイルのライブは初めてで、新鮮な体験。海外でいろいろな音楽に触れるが、いい音楽を横須賀に持ち帰って、これからも地元でたくさん演奏したい」とメイさん。
椿さんは、祖母が経営していたカラオケスナックで子ども頃に歌い始めた。「青い瞳のサムライ」「青の街」など地元ソングを多数制作。ライブハウスやラジオ番組のパーソナリティーとしても活躍する。
各店ではチラシを事前に配って準備したという。「店のスタッフや常連の応援があって成り立つライブ。街がもっと楽しくなって、横須賀をまたちょっと好きになれるような音楽活動を続けていければ」と椿さんはほほ笑む。