在日米海軍司令部(横須賀市)は新型コロナウイルス(COVID-19)感染防止のため3月25日、日本に駐留する米海軍軍人に対し、基地外への外出を原則禁止する「行動制限」(LIBERTY RESTRICTIONS FOR COVID-19)を発令した。同日夜、基地近くの本町ドブ板通りでは米兵たちの姿が消え、迷彩服を着たパトロール兵だけが目立っていた。
LIBERTY RESTRICTIONS FOR COVID-19(在日米海軍司令部)
26日には、在日米軍関係者の間で初の感染者が明らかになった。米海軍横須賀基地所属の男性軍人(30~40代)で、15日に米国から戻って以来、自宅待機していた。現在、医療専門家たちが感染経路などを追跡調査している。
さらに27日、大型空母に配属されている米兵2人の感染が確認された。同横須賀基地での感染者は3人となった。1 人目の感染者とは関連はなかったとしている。
横須賀市内では、3月15日に介護老人福祉施設に勤務する70代女性看護師(エジプトからの帰国者)、18日に同施設内の80代男性、20日に90代女性と3人の感染者が確認され、感染経路も判明していた。
同基地公式フェイスブック(英語版)では28日までに、基地内コミュニティー向け(家族や軍属なども含む)に注意喚起を促すビデオメッセージなどを掲載。基地内の学校・郵便局・ボウリング場を閉鎖し、イベントや集会も中止。レストランではテイクアウトやデリバリーに営業を切り替えるなどの対策がとられ、不要不急の外出をせず「居住区で待機するよう」呼び掛けている。
汐入駅前の飲食店で働く19歳女性は、「4月から米国留学の予定でビザも取得して、ホームステイ先も決めていたがキャンセルになった。来年春以降に再度チャレンジしたい」と期待を込める。
横須賀本港を周遊する観光スポット「軍港めぐり」は、4月下旬まで運行休止の延長を決めた。ドブ板通りの飲食店経営者は「米国人の外出制限、日本人の自粛とダブルパンチで、長引けば経営が難しくなる。店を開けるか閉めるか判断に迷っている。経済対策を早く実施してほしい」と話している。