横須賀東海岸の新安浦港(横須賀市平成町)で2月20日、初水揚げされた「横須賀産カキ」が朝市で販売される。昨年3月から横須賀東部漁協・横須賀支所がカキの試験養殖を行っていたもので、一般販売は初めて。
水揚げされた横須賀産カキ。10~15センチの大きさに育ち、身もぷりぷりに。
2月16日早朝、新安浦港に同漁協組合員ら約20人が集まり、カキの養殖イカダから約3,000個のカキを水揚げした。同港で生育したカキは、貝殻が約10~15センチの大きさに育ち、ぷりぷりした身もついた。
作業場では、水をかけて泥を落としブラシで貝殻を磨き、カゴに移し変えて選別作業を行った。その後、海水プールに保管して紫外線殺菌装置で海水を循環させながら数日かけて洗浄作業を行う。同港では、20年前に天然カキの水揚げ実績があったが、当時は洗浄殺菌装置がなく他県業者が貝殻ごと買い付けに来たことも。昨年、市の助成金により同装置を導入できたため地元での販売が可能になったという。
試験養殖では、宮城産のカキ稚貝を着けたホタテの貝殻を購入し、ブイを付けたイカダに吊り下げて1年間養生し、約6,000~8,000個のカキ養殖に成功した。養殖を担当する栗山義幸さんは「養殖を取り入れて休漁することで水産資源の回復、漁場の養生もできる。カキ養殖の事業化で、計画的な栽培漁協へのきっかけになれば」と期待を込める。
同漁協支所長の斎藤浩昌さんは「10年前から漁業者グループが養殖の実験を試みていたが、漁協として本格的に取り組むことになった。冬場の休漁期に新たな収入源として期待できる」といい、「朝市の新しい目玉商品としてじっくり育てたい」と話す。
朝市開催は9時~売り切れまで。猿島海産物も販売する。