
横須賀をロケ地として撮影された映画「父と僕の終わらない歌」が5月23日、「横須賀HUMAXシネマズ」(横須賀市本町2)ほかで全国公開された。出演は寺尾聡さん、松坂桃李さんら。
若き日に諦めたレコードデビューの夢をかなえようとするアルツハイマー型認知症の男性と、彼を支える家族の姿を描いたヒューマンドラマ。2016年にイギリスで一本の動画をきっかけに、80歳でCDデビューを果たした男性の実話を基に映画化された。
かつてミュージシャンを目指したが、息子のために夢を諦めた間宮哲太(寺尾さん)。生まれ育った横須賀で楽器店を営んでいたが、ある日、認知症と診断されてしまう。全てを忘れゆく哲太をつなぎ止めたのは息子・雄太と強く優しい妻・律子、地元の仲間たちと音楽だったというストーリー。
寺尾さんが父・哲太、松坂さんが息子・雄太を演じた。松坂慶子さん、ディーン・フジオカさん、佐藤栞里さん、佐藤浩市さんらが共演する。
松坂桃李さんは「横須賀の独特な、他にはない街並みの空気を味わいながら撮影できたのが印象的。この映画は、皆さん自身の家族の物語。映画によって希望を感じてもらえる瞬間がありますように」とコメント。
16年ぶりの主演作となる寺尾さんは「この作品は、俳優と歌手人生が初めて交わる、自分にとってメモリアルな作品。この年で、こんなにも情熱を注げられるものに出合えたことに感謝」とコメントを寄せる。劇中歌で、ジャズソングなども披露する。
監督の小泉徳宏さんは「『寺尾聰史上、最高傑作を目指します』と本人を前にして豪語したところからのスタートだった。皆さんにとってこの映画が忘れられない一本になることを願っている」とも。
上映時間は93分。配給はソニー・ピクチャーズエンタテインメント。