東京湾に浮かぶ無人島・猿島(横須賀市猿島)で3月23日、夜の無人島から眺める海や空の様子を撮影する「無人島星空撮影会」が開催されて好評だった。市内外から約50人の写真マニアらが夜間撮影に熱中し、静かな無人島に無数のシャッター音が響き渡った。
普段は夜に立ち入ることができない無人島を特別開放し、島から見た街の夜景、月明かりの下で要塞跡やトンネルなどを探検しながら撮影する同イベント。プロ写真家の鈴木雄二さん、まるやゆういちさんによる夜間撮影レクチャーも行われた。主催は猿島航路を運航するトライアングル。
当日は曇り空だったが、雲の合間から月が輝き、ときどき星も見えるなど変化に富んだ撮影コンディションになった。カメラを手にした参加者らは夕方、三笠桟橋から船で猿島へ上陸。カメラメーカーの協力で、デジタル一眼レフカメラ10台・三脚のレンタルも用意した。
参加者らは三脚に付けたカメラを持ち、シャッタースピードや露出などの撮影レクチャーを参考に、各自が見つけたポイントで夕暮れ風景を撮影。暗くなってからは、懐中電灯を手に要塞跡やトンネルなどを歩き、途中でフォトセッションを繰り返しながら進んだ。
島の北側突端にある「オイモノ鼻」広場では、対岸にある横須賀や千葉県・房総半島にきらめく街の夜景を見ることができ、参加者は興奮しながら夢中でシャッターを切った。
同企画を担当した大森英一郎さんは「無人島と写真撮影会は相性が良いと思った。2時間半にわたるフォトセッションで、無人島の静寂に包まれた神秘的な風景が撮影できた」といい、「今後も、ゆったりした『島時間』を楽しめるような提案をしていきたい。無人島の非日常空間を楽しんでもらえたら」と話す。
参加者が撮影した写真の中からベストショット数点を選び、三笠桟橋に隣接するポートマーケット内「猿島ギャラリー」で展示する予定。