焼失した横須賀の名物カフェ、「茶蘭花」応援ライブ-地元ミュージシャン一堂に

昨年12月に火事で焼失した横須賀の名物ライブ喫茶「茶蘭花」(当時の外観)

昨年12月に火事で焼失した横須賀の名物ライブ喫茶「茶蘭花」(当時の外観)

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 昨年12月に火事で焼失した横須賀の名物ライブ喫茶「茶蘭花(ちゃらんか)」復興を応援するライブが2月6日、ミュージッククラブ「Angelo」(横須賀市大滝町2)で行われ約250人が集まった。元従業員スタッフ、ゆかりのミュージシャンらが企画。

地元ミュージシャンが一堂に集まった応援ライブの様子

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 当日夕方になると会場のライブハウスには、楽器を抱えた地元ミュージシャンらが続々と集まり、同店のファンも大勢駆け付けて熱気に包まれた。ライブには、「横須賀ベンチャーズ」「BlLUE WAVE」「FOUR TEA BAND」「もーしと仲間たち」「ジョーちゃんバンド」「THE FRESH」「三好千江子カルテット」の7組が出演したほか、飛び入り参加のオープンセッションも行われ、深夜までにぎわった。

 茶蘭花は1970年に日の出町で創業。ジャズの生演奏ほか、1930年代~70年代のジャズ名盤レコードが聴けるモダンなカフェとして人気を集めた。15年前に大滝町に移転し、投げ銭スタイルの路地裏ライブハウスとして知られるようになり、さまざまなジャンルの地元ミュージシャン登竜門ともなっていた。

 「横須賀デビューが茶蘭花だった」と懐かしむミュージシャンも多い。「FOUR TEA BAND」の加藤正義さんは「50歳を過ぎて始めたバンド活動だが、同店で毎月ライブを行ってきた。オーナーの人柄もあり大勢の人が応援している。何かあれば協力したい」という。26歳の「たかはしようへい」さんは「若いミュージシャンを暖かく受け入れてくれ、ホームのような存在。先輩ミュージシャンとも出会えて刺激を受けた場所だった」と名残り惜しむ。横浜在住ブルース・ボーカリストの中村裕介さんは「オーナーとは40年来の付き合い。横須賀のライブハウスの中でも草分け的存在で、これからもがんばってほしい」とエールを送る。

 同ライブの発起人で、元従業員の森義幸さんは「元スタッフやミュージシャンから自発的な申し出がたくさんあった。地元商店街でもチラシを置いて協力してくれるなど皆さんの暖かい思いが伝わってきた」といい、「音楽活動を通じて横須賀が盛り上がってくれたら」と今後の活動に期待を込める。当日は参加者からカンパも寄せられ、45万6,800円の義援金が集まった。

 茶蘭花オーナーで67歳の西村秀夫さんは「心配をかけて申し訳ない。きょうは皆さんからたくさんのパワーをもらい、涙が出るほどうれしい」と話す。「3月頃からどぶ板通りの飲食店を間借りして、週末夜の営業というスタイルでライブハウスを再開させたい」と久しぶりの笑顔をみせた。

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