日本で初めて電気で走る霊柩自動車を導入した葬儀社・藤屋(三浦市三崎)の挑戦を描いた書籍「小さな挑戦 電気霊柩自動車ユーザー記」が4月、出版された。
1934(昭和9)年創業の藤屋の2代目で会長の藤喜代志さんが自費出版。環境に配慮した電気霊柩自動車を導入した思いを広く伝えたいという。
出棺時に参列者に向けて霊柩車から排出される排気ガスに心を痛めていた藤さんは1996(平成8)年、神奈川県から電気自動車トヨタ・タウンエースを中古で購入。霊柩車に改造し、約12年間使用した。導入の際には日本初を環境庁の駐車場で記者発表してアピール。大手新聞も記事にしたという。
未来の子どもたちを意識しているという藤さんは「8歳で終戦を迎えた私は広くて大きな三崎の空の青さが忘れられない。地球温暖化や気候変動への対策で、今生きる人たちが生存に必要な大切なものを使い切ってしまわないようにしてほしい」と力を込める。「小さな努力の一端を読んでほしい」とも。
新書版・117ページで価格は990円。同市内のさくま書店、三崎堂書店ほか、横須賀の文教堂横須賀モアーズ店で販売する。