明治から大正期に東京湾口部に造られた海上要塞(ようさい)「第二海堡(かいほう)」の上陸ツアーが4月から解禁され、旅行事業者の企画募集も始まった。
さん橋近くには、イギリス式レンガ積みの「掩蔽壕(えんぺいごう)」なども
本格ツアーを前に、横須賀市民限定の上陸見学ツアーが3月23日に実施され、定員120人に対して420人超の応募という人気ぶり。同上陸ツアーはガイド付きで、旧海軍時代のさん橋や防空ごう、観測所、砲台跡などの歴史遺産を約1時間かけて見学した。
戦後は釣り人が渡航していた時期もあるが、その後浸食が進んだため2005年から立入り禁止に。近年、国土交通省が護岸整備工事を進めていた。同海堡は明治22(1889)年8月起工、大正3(1914)年6月完成。浦賀水道と内湾の北側境界に位置し、面積約41,000平方メートル。水深8~12メートルの海中に築かれた。
第二次世界大戦中は対空砲、潜水艦の侵入を防ぐ防潜網が設置された。戦後は灯台が設けられ、1977年からは海上災害防止センターの消防演習場として利用されている。
横須賀市・富津市などで構成する「第二海堡上陸ツーリズム推進協議会」は今年2月、ツアー日程などを調整する「東京湾海堡ツーリズム機構」を立ち上げ、同機構を窓口として旅行業者からのツアー企画を3月末から受け付けている。
4月下旬より、一般から旅行業者へのツアー申し込みが可能になる見込み。横須賀市では「日本遺産ルート観光」の一環として、同上陸ツアーを推進したい意向だ。