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大会運営にIoT活用、スマホでバーチャル観戦も ウインドサーフィンW杯横須賀大会

5月11日、津久井浜でウインドサーフィンW杯の競技が始まった

5月11日、津久井浜でウインドサーフィンW杯の競技が始まった

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 世界32カ国94人のトップ選手が集まる「ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会」が5月10日より津久井浜海岸(横須賀市津久井浜)で行われ、大会2日目となる11日に第1戦(スラローム競技)がスタートした。初日は無風状態で様子見となり、1日延期して競技が始まった。

スタート前やレース中のバーチャル映像を伝える「観戦アプリ」の画面

 記者は、公式フェイスブックの競技情報をチェックしながら会場へ向かい、今大会で初めて導入されたスマホ向け「観戦アプリ」をダウンロードしてみた。

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 当日は海辺で風速6~7メートル、海上では風速10メートル超と好コンデション。午前中に風待ち待機していた選手たちは、昼前の試合開始のアナウンスとともにボードに乗って勢いよく飛び出す。スラローム競技は、風上から風下へと設定されるショートコースで行われる。選手は8~20人のグループに分けられ、トーナメント方式で勝ち上がっていく。

 競技は沖合で行われるため、浜辺の特設会場には大型ビジョン2台を設置。空撮用ドローン3台や船上カメラからの映像がスクリーンに映し出され、ネットでライブ配信も行う。海上で観戦するチャーター船も、朝のうちにチケット完売。双眼鏡を手にした人や長い望遠レンズ付きカメラ持参の来場者も多い。

 昨年も同会場でW杯が行われ、24年ぶりの国内大会開催と話題となった。が、来場者からは「沖合の競技が見えない」「ルールがよくわからない」などの不満が寄せられ、競技観戦の課題となっていた。

 大会期間中、スマホ向けウインドサーフィン観戦アプリ「GULLCAST」が配信されている。その仕組みは「スポーツを可視化する専用のIoTシステム」ともいいわれる。 

 海上の競技を3Dバーチャル映像として、リアルタイムに観戦者のスマホに伝えてくれる。競技ルールや順位などの情報も表示し、スタート前やレース中の選手たちの動きをバーチャル観戦できるアプリだ。

 アプリを実際に使ってみると、沖合にいる選手たちが風を受けるためにジグザグに航走する様子や風速によって速くなったり遅くなったりと、リアルな動きが可視化され、近くで観戦しているような臨場感がある。リプレイ機能で、あとから競技を追体験することもできる。2次元の大型ビジョンに比べ、観る角度が変えられる3次元映像には立体感もあり、併用して観戦することもできる。

 ウインドサーフィンは、ボード上に取り付けた風を受けるセールを動かして操縦する。選手が装着するモジュール(センサー・GPS・通信チップなど)がレース中の進路や速度、風速などを読み取ってクラウド上で解析し、3D映像とともにスマホに配信する仕組みだという。

 同アプリは、2020年の東京五輪に向け、富士通が技術開発している。日本ウインドサーフィン協会と連携し、国内トップ選手育成のためのスポーツアプリも開発中だ。

 ウインドサーフィンは1967年、米国カリフォルニアで誕生。1969年に日本へ上陸した若いマリンスポーツで、国内愛好者数は約50万人とまだ少ない。競技人口を増やすためにも、「観戦する魅力を伝えること」に力を入れている。

 「ウインドサーフィンの最大の楽しさは、大自然の素晴しさ、海の天然の恵みをダイレクトに感じることができるということ」(日本ウインドサーフィン協会)。

 国内外トップ選手たちの活躍とともに、横須賀大会ではスポーツ観戦の新しいツールとして、「IoT」(Internet of Things=モノのインターネット化)活用の成果も期待されている。