昨年10月から閉鎖されていた京急・汐入駅前の高層ホテルに、世界最大級のホテルチェーン「アコーホテルズ」の系列ブランド「メルキュールホテル」が進出することが決まった。6月10日、同社日本法人「アコージャパン」の諸井文雄社長が蒲谷亮一・横須賀市長と会見、発表した。
同社は三井不動産系企業が運営していた「旧ホテルトリニティ横須賀」の施設を引き継ぎ、数億円をかけて全面的に改装する予定。「客室単価は9,000円前後を想定。客室の内装や備品類はすべて刷新して高級感を出し、ワンランク上のビジネスホテルを目指す」(諸井社長)という。同ホテルは21階建てで高さ95メートル、延べ床面積は約1万7,900平方メートル。客室数は160室、大小9会場の宴会場、フランス料理店やラウンジも併設する。今年9月中旬ごろから営業を開始する予定。
アコーホテルズはフランスを本拠地に世界中で約4,000ホテルを運営し、ソフティフル・ブルマン・ノボテル・メルキュールなどのホテルブランドを展開する。従業員数は約15万人。国内では銀座・成田・札幌でメルキュールホテルを開業し、横須賀は4番目となる。
汐入駅前の同施設は、1983年に日本政府に返還された米海軍下士官兵集会所「EMクラブ」跡地を再開発して建設されたもの。1993年から西武鉄道が「横須賀プリンスホテル」として事業展開していたが、収益低迷などを理由に2006年3月に撤退。同年4月から「ホテルトリニティ横須賀」として再出発したが、昨年秋に閉鎖され空き状態が続いていた。
横須賀市商工振興課の担当者は「同社からは横須賀市の緊急経済対策・空き店舗出店奨励金が申請される予定。ランドマークとして周辺地域の活性化につながれば」と期待する。