日産自動車は5月12日、電気自動車(EV)を2010年秋より同社の追浜工場(横須賀市夏島町2)で生産すると発表した。同工場での生産は年間5万台規模で立ち上げ、「2012年の量産に向けて生産台数を拡大していく」(同社)という。
追浜工場は日産のモノづくりの中核的な拠点で、EV生産のマザー工場として位置付ける。同社はEVを中期的事業の柱としてグローバルに展開し、2010年に日本と米国の市場に投入する予定。「EVのコンセプトカーや実験車両はすでに公開しているが、具体的な生産車種などはまだ発表していない」(同社広報)。
EVの主要な構成コンポーネントであるモーターは横浜工場、インバーターは座間事業所、ラミネート構造を採用したコンパクトリチウム電池はオートモーティブエナジーサプライ(AESC)でそれぞれ生産し、最終組み立ては追浜工場で行う。
横須賀市商工振興課の担当者は「3月から緊急経済対策として設備投資特別減税制度を実施したが、それも後押しとなったと聞いている。これを契機に充電インフラの整備など今後のEV普及促進にも取り組んでいきたい」と話す。同市では「設備投資に対して固定資産税を95%、最大5年間減税する」としている。