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三崎港で、まぐろ漁船に救援物資-被災地・宮城県へリレー輸送開始

三崎港で救援物資を積み込み、被災地の宮城・気仙沼港へ向かうまぐろ漁船「第11八幡丸」

三崎港で救援物資を積み込み、被災地の宮城・気仙沼港へ向かうまぐろ漁船「第11八幡丸」

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 まぐろの港町・三崎港で3月19日、東北・三陸沖に避難していた宮城県のまぐろ漁船「第11八幡丸」(119トン、気仙沼漁協所属)が寄港し、昼過ぎから被災地への救援物資の積み込み作業が行われた。同船は、20日朝9時頃に出港予定で、宮城・気仙沼港へ緊急物資を輸送する。

まぐろ漁船には、被災地での移動用に中古自転車の積み込みも

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 11日の地震当日、三陸沖で操業していた八幡丸は、地震・津波の発生により母港の気仙沼港が被災。沖合いで1週間避難を続けていたが、「日本かつお・まぐろ漁業協同組合」(東京都江東区)の緊急支援呼び掛けに応じて、救援物資輸送への参加を決めたという。

 三崎港では、有志が結成した「三浦三崎 海からの支援隊」のトラック数台が待ち受け、まぐろを水揚げして空になった船倉やデッキに、クレーンや手作業で救援物資が積み込まれた。同会では、現地が必要としている飲料水約400ケース、食糧約3,000食、医薬品、タオル・軍手・衣類、携帯電話用ソーラー充電器などのほか、ガソリン不足の現地移動用に中古自転車数十台も用意した。

 同メンバーでまぐろ事業者の寺本光一さんは「まぐろ船仲間のネットワークが動き出した。民間でも協力し合って、できることをやっていきたい。少しでも被災地の皆さんの役に立てれば」と話す。

 支援隊では、三浦市のまぐろ事業者、工務店、タクシー会社、商店などが協力して物資集めに取り組んでいる。三浦商工会議所・青年会議所とも連携し、横須賀・逗子・葉山・鎌倉へも協力を呼び掛けている。

 八幡丸船主の村上純一さんは「乗組員には家族の安否が確認できない人もいる」といい、「津波で被災した気仙沼港だが、現在数隻分の接岸スペースができた。三陸沿岸には浮遊物も多いため安全確認しながら2昼夜かけて行く。大型船が接岸できない場合は小型船を使ってリレー輸送することも考えている」と語る。現地では、気仙沼市が受け入れ体制を準備中だ。

 第1便として同船が先発するほか、23日朝に遠洋まぐろ漁業船「第8漁吉丸」(439トン)、26日朝に遠洋まぐろはえ縄調査船「開発丸」(492トン)も救援物資を積んで出港予定。静岡県の焼津・清水両港でもまぐろ漁船が緊急輸送に出るという。

 救援物資の窓口として、三浦では奥山工務店(南下浦町上宮田)、横須賀では朋友自動車商会(内川2)の2カ所で一般からの寄贈を受け付けている。ブログなどを通じて、福岡県の団体からも「50トンの救援物資がすでに集まったが、東北への輸送手段がなく困っていた。トラックで三崎港へ送りたい」との連絡があり、支援隊では受け入れ準備を進めている。

 阪神・淡路大震災でボランティア経験を持つ奥山浩司さんは、「現地では人手不足で物資の仕分けができないため、ダンボール単位で中継場所で整理してから船に積み込み、リレー方式で輸送していく」という。

 現在集めている救援物資は、乾電池(単3などケース単位)、紙オムツ、携帯カイロ、飲料水(ケース単位)、防寒着(新品)、米(10キロ以上)など。受け付けは21日夕方まで。問い合わせは奥山工務店(TEL 046-889-0720)まで。 

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