独特のパフォーマンスで世界を旅する現代作家・折元立身（おりもとたつみ）さんが3月20日、横須賀美術館（横須賀市鴨居4、TEL 046-845-1211）で「Finger Dole 指人形」パフォーマンスを実演する。

　折元さんは、1946年神奈川県生まれ。1970年代に渡米し、ナム・ジュン・パイク氏に師事して前衛芸術活動であるフルクサスに参加。その後、アルツハイマーを患った母親を世話するためにニューヨークより帰国、母親との介護生活を「Art-Mama（アート・ママ）」と題して2001年ベネチアビエンナーレで発表、世界的に評価される。代表作としてパンを顔にくくりつけたパフォーマンス「Bread-Man（パン人間）」などがある。昨年1月、ブラジル・サンパウロ美術館で初の回顧展。近年は病院やケアハウスなど医療・介護施設でもアートプロジェクトを行い、「アートは介護を楽しくする」と独自の世界観を表現する。

　同館学芸員の中田貴絵さんは「今回は折元さんが昨年から始めた指人形を使った新しいパフォーマンス。見る人をほほ笑ませ、時に困惑させる不思議な世界。観客とのコミュニケーションから何が生まれるか楽しみ」と話す。

　会場は同美術館エントランスホール。開催時間は14時～14時30分。入場無料。4月5日まで、指人形の展示とDVD上映も行っている。