神奈川歯科大学(横須賀市稲岡町)は6月2日、同大名誉教授で解剖学の権威・横地千仭(ちひろ)さん(96歳)が手掛けた「解剖学アート」の絵画・オブジェなどを著作権管理し、キャラクターグッズなどに商品化・ライセンス販売すると発表した。
横地さんは、半世紀以上にわたって人体を研究してきた解剖学の世界的な権威。共著で出版する「解剖学カラーアトラス」は23カ国で翻訳され300万部超のベストセラー。
解剖学の要素を取り入れた芸術作品を数多く制作し、「頭蓋骨(ずがいこつ)に描いた世界地図」「口からトランプを出している骸骨」など独特のユーモアを交えているのが特徴。「生と死は表裏一体。生をユーモラスに語れるのであれば、死もユーモラスに語ることができる」と横地さん。
戦時中の軍医時代に空襲に出会った体験から、スケッチを描き始めた。「絵はときとして写真よりリアルに現実を物語る」という。浮世絵や漫画も題材にするなど、解剖のプロとして人体をテーマにした多彩な作品を描き続けている。
同大資料館に作品展示コーナーを設置。問い合わせは同館(TEL 046-822-9351)。7月6日~13日には、「カフェスト」(東京都中央区、TEL 93-3665-7007)を会場に「アナトミーアート展」も開催予定。