横須賀・厚木・舞鶴などの海上自衛隊カメラマンによる初の写真集「海上自衛隊写真員が撮らえた任務と訓練の歴史」が刊行され、話題を呼んでいる。発行は新人物往来社(東京都千代田区)で、価格は1,890円。海自60周年記念企画。
福島第1原発事故・給水支援作戦「オペレーション・アクア」の様子
海自内部カメラマン(写真員)にしか撮ることのできない世界を、撮影者自身の証言とともに収録したもの。横須賀からパージ船が出動した福島第1原発事故・給水支援作戦「オペレーション・アクア」ほか、横須賀を母港とする「しらせ」の南極観測支援活動、ソマリア沖海賊対処行動、日米共同訓練、災害派遣など数多くの現場写真を掲載。
「オペレーションアクア」では、横須賀地方総監部の写真員・屋部3曹が撮影した防護服姿の隊員たちの奮闘ぶりや原発事故現場の貴重な証言も収録。新鋭護衛艦「ひゅうが」のヘリ運用風景なども紹介する。
海自には約4万5,000人の隊員が任務に当たっており、彼らの活動を内外に伝える役目を担う海自写真員。災害派遣や国内外の現場で活躍する。「写真員が撮影したものは広報写真にも使われ、今まで撮影者の名前が公表されることはなかったが、彼らの生の証言も交えて初公開する」(同社)という。
同社書籍編集部の小林藤彦さんは「驚かされるのは写真技術の高さ。厳しい環境下での撮影であっても構図や仕上がりには1分の隙もない。海自の知られざる魅力を感じてもらえたら」と話す。