ウスイホーム(横須賀市久里浜2)は5月15日、耐震住宅として最高ランク「耐震等級3」で設計・施工された新築住宅の「構造見学会」(同市長沢2)を開催し、近隣住民らが大勢見学に訪れた。東大日本大震災の影響で耐震住宅への関心が高まっていることから、施主の協力を得て実施したもの。
天井回りにも、太さ30~39センチの梁が縦横に組み込まれ家屋を支える
同住宅は、耐震性・断熱性に優れた新しい工法「U-パネル」を採用。耐震強度を確保するため構造計算を行い、国が定めた住宅性能表示で最高ランク「耐震等級3」の住宅。
同工法では、断熱材に木質パネル「フェノバボード」を取り入れ、パネル全体が柱・梁(はり)・土台の内側にきっちり収まる真壁構造となり、従来工法の筋交いでは建物の力が1点に集中するのに対して、面全体で力を受け止めて荷重を分散させることができ、耐震強度も高まるという。断熱効果も高く、次世代省エネ基準の性能表示「4等級」にも対応する。
住宅の耐震等級は3分類されており、「耐震等級1」は「数百年に1度、発生する地震の力に対して、倒壊や崩壊しない程度」、「等級2」はその1.25倍、「等級3」は1.5倍の強度を確保する。
一般的な注文住宅は等級2で設計・施工されることが多いが、東日本大震災の影響で「安心・安全を確保したい」との施主の希望により「耐震等級3」にグレードアップ。仕様を設計変更し、第三者機関による認証費用も含めて、当初予算より約100万円の追加予算で施工したという。
従来の木造住宅に比べると柱や梁の本数も多く、太さ30~39センチの梁が縦横に組み込まれてガッチリと家屋全体を支えているのが特徴。金属製のボルト類も強化されている。
同社は1976年創業で、横須賀・湘南・横浜に16拠点を展開。同社ハウスプランニングアドバイザーの吉田賢二さんは「震災以降、お客様からマンションや1戸建て購入相談で耐震性に関する質問や要望が増えている」といい、「実際の建築現場を見学することで耐震構造が理解できる。これから家を建てようと考えている人たちの参考になれば」と話す。