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横須賀の「Y劇場」、宮沢賢治朗読会を開催-「雨ニモマケズ」に涙ぐむ姿も

横須賀の劇団ユニット「Y劇場」が宮沢賢治朗読会を開催

横須賀の劇団ユニット「Y劇場」が宮沢賢治朗読会を開催

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 横須賀の劇団ユニット「Y劇場」が4月17日、カフェサロン「スローガンズ」(横須賀市上町2)で東北の詩人・宮沢賢治の朗読会を行った。同劇団には被災地・宮城県石巻市出身者も参加し、「雨ニモマケズ」の詩に被災地をしのぶ参加者らが涙ぐむ姿もあった。

被災地への思いを込めて、「雨ニモマケズ」の詩を参加者全員で朗読

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 朗読会では、「銀河鉄道の夜」から冒頭シーン、後半の「カンパネラの悲劇」などをオリジナル曲のピアノ演奏付きで朗読。詩集からは「春と修羅(しゅら)」「無声慟哭(どうこく)」などを選んだ。出演は、五月女ナオミさん、津村みさおさん、浜美助さん、RIKAさん。ピアノ演奏は堀ゆかりさん、構成は祭山寸花さん。

 朗読の最後に、劇団員らが「雨ニモマケズ 風ニモマケズ 雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ丈夫ナカラダヲモチ…」と力強い口調で代わる代わる朗読。その後、東日本大震災の被災地に思いを届けるように、参加者も声を合わせて全員で朗読を行った。

 同劇団代表の五月女さんは「昨年末から企画していた朗読会。3月11日に震災が起きたことで、いま岩手出身の宮沢賢治作品を朗読することは鎮魂の意味合いもあると思った」といい、「集まった皆さんの真剣な空気を感じて緊張した。朗読のけいこをしながら賢治の詩から教えられることも多かった」と振り返る。

 劇団に初参加した石巻出身のRIKAさんは「石巻には叔母が暮らしている。こんなときだからこそ、被災地の皆さんに元気を出してほしいとの願いを込めて、『雨ニモマケズ』を朗読した」という。構成を担当した祭山さんは仙台市出身で、「震災はとても悔しい。横須賀の地で賢治の詩を読むことで、震災のことを忘れないようにしたい」と述べた。

 同劇団は2010年春に結成。今年1年間は「宮沢賢治の世界」をテーマにした表現活動を行う。9月4日に演劇・音楽・ダンス・映像のコラボ・イベント「星まつり」(横須賀市青少年会館ホール)、11月5日・6日には「銀河鉄道の夜」(同ホール)も予定。問い合わせは五月女事務所(TEL 090-5545-3691)まで。

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