横須賀の古寺「栄久山 等覚寺」(横須賀市久村5)で、樹齢約100年のしだれ桜が満開となり、薄紅色の可憐な花が訪れる人たちの目を楽しませている。同寺のしだれ桜は「市民が選ぶ景観100選」にも選ばれている名木。
「例年より1週間ほど遅れて開花した」と28代目住職の井上錬勝さん。「しだれ桜は先代住職が生まれた大正初期に、周辺の檀家さんが寺の跡取りの誕生を祝ってくれ、身延山から苗木を取り寄せて植えたもの」という。「あと1週間ほどお花見が楽しめる」とも。
等覚寺は天正12(1584)年、身延山久遠寺の末寺として創建され、延宝7年(1679年)に現在の地に移ったと伝えられる。竹林に囲まれた観音堂には「千手観音像」が安置され、古い一木造りの彫像が市の指定文化財になっている。
震災の影響で桜まつりなどのイベント中止が相次ぐ中、「静かな心で桜をながめて、安らぎを感じてもらえたら」と井上さんは話す。
4月8日には、近くの慈眼院(同市佐原5)で「桜と花まつり」が行われる。