横須賀の児童養護施設「春光学園」（横須賀市小矢部2）に2月14日、山形県の米農家からトラック直送で玄米600キロが寄贈され、30キロ入り20袋のお米を囲んで食べ盛りの子どもたちが笑顔をみせた。

　1月上旬より、全国各地で漫画「タイガーマスク」の主人公「伊達直人」を名乗る人物からの贈り物が相次いだが、同園にはその後1カ月余りで合計15件の寄付が続いたという。2月4日には現金100万円の匿名寄付もあり、現在までに現金・金券で合計約150万円が寄せられたほか、文房具などの寄付もあった。

　玄米600キロは有機栽培で育てたコシヒカリで、贈り主は山形県の米作農家「こめやかた」代表の坂井英夫さん。横須賀の百貨店で開催される「山形物産展」などに出品し、年に3～4回同市を訪れるという坂井さんは「横須賀市民の親切に対し感謝の意を表したい。子どもたちにおいしいお米を食べてほしい」といい、市の仲介で同学園に贈ることになったもの。

　82人の子どもたちが暮らす春光学園では、「1日約10キロのお米を炊くので、玄米600キロだと約2カ月分のご飯が賄える」という。玄米は近所の米穀店に預け、必要な分だけ精米して使う予定。同園長の小林秀次さんは「タイガーマスク運動がきっかけで注目されたせいか、匿名寄付や問い合わせ電話も増えており、ありがたいことだと思う」と話している。