漁師が東京湾の船上からインターネット販売-横須賀・東部漁協夕市会

船上の漁業者が携帯電話を使ったネット販売に取り組む。東京湾で操業する横須賀・東部漁協夕市会の栗山義幸さん。

船上の漁業者が携帯電話を使ったネット販売に取り組む。東京湾で操業する横須賀・東部漁協夕市会の栗山義幸さん。

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 横須賀市東部漁協横須賀支所夕市会(横須賀市平成町3)は農漁業ITベンチャー「フウド」(東京都町田市)と共同で4月16日、漁業者が東京湾の船上から漁獲物のインターネット販売を行うECサイト「東部漁協夕市会」の運用を開始した。

船上から商品登録するネット直売「今日のセット」の画像

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 フウドが独自開発を進める農漁業者向けSaaS「ノウカオフィス」を活用した第1弾のサービス運用で、関東圏内の消費者に対して水揚げから12時間以内の納品を実現する。

 同サイトでは、特別メニューとして毎朝(しけの日を除く)漁業者が船上で漁獲したばかりのその日の目玉となる魚を携帯電話から登録・出品する。出品された魚は船が帰港する前に写真や動画で確認することができ、午前9時までに消費者が発注すると当日中に受け取ることができるもの。ブログが随時更新されるほか、フォトアルバム、提供商品情報、メールマガジンなども配信する。

 フウド代表の齊藤悠さんは「魚は半日で鮮度が落ちるという漁業現場からの声を受け、水揚げから受注・発送までをスピードアップすることを目的にした」とし、「船上から携帯電話で受注状況の確認、顧客管理を行える新機能を開発した」という。従来の流通では中央卸売市場や販売店を通すため、消費者に届くまで1日以上経過してしまうのが現状。

 今回活用したシステムは、神奈川県農業技術センターとフウドが共同運営するECサイト「かながわ農の逸品」で培った農漁業者・直売所向けソフトウェアを発展させたもの。最新版となる「ノウカオフィス」の運用では動画配信も準備中で、16事業者が試験運用に参加しており、5月中に本格稼働の予定。

 東部漁協の栗山義幸さんは「魚は鮮度がいのち。従来から週末に朝市販売も行っているが、東京湾の鮮度のよい魚を消費者に届けるためにネット販売も活用することにした」といい、「船上からの商品登録や水揚げ直後の配送など時間との勝負で、漁師の負担も増えるが、新しい試みに慣れていけるよう挑戦していきたい」と意気込む。

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