1945(昭和20)年、米軍に接収された終戦直後の横須賀を舞台にした演劇作品「EMクラブ」が3月23日・24日、京急汐入駅前のヨコスカ・ベイサイド・ポケット(横須賀市本町3)で上演される。横須賀シニア劇団「よっしゃ!!」が主催。
旧海軍施設は「EMクラブ」と呼ばれ、劇場・ダンスホールやレストランを持つ進駐軍の娯楽施設として東洋一の規模を誇ったという。米本土から有名ミュージシャンも数多く慰問に訪れ、「戦後ジャズ発祥の地」とも伝わる。
劇中には米兵相手の靴磨きや街娼(がいしょう)、トランペット奏者など多彩な人物が登場。アメリカ文化が嵐のように流れ込んできた時代の中で、葛藤する庶民の姿を歌やダンスを通して描く。
同劇団主宰の横田和弘さんは「ここ横須賀には戦争の傷跡が残っていた。進駐軍の象徴、EMクラブと壁一つ隔てた現実と虚飾の世界。そんな時代をたくましく生き抜いた人々の物語」と言い、「EMクラブ跡地に作られた芸術劇場で、当時を知るシニア世代の劇団員が演じる。若い人たちにも見てもらえたら」と話す。
同劇団は県の「共生共創事業」として、2019年8月に旗揚げ。60歳~90歳の団員は約30人。台本ができた昨年9月以来、毎週2回の稽古に励んできたという。
13時30分開演。チケットは、前売り=2,000円(当日2,500円)、高校生以下=1,000円。予約は同劇場チケットセンター(TEL 046-823-9999)で受け付ける。