横須賀中央の市役所前公園(横須賀市小川町9)で3月25日、多彩なジャンルの食を提供するキッチンカー9台が集結した「YOKOSUKAモビリティマルシェ」が開催され、ランチ用にテイクアウトする人たちでにぎわった。26日まで。
コロナ禍で影響を受けた飲食店対策の一環として、横須賀市が既存店や新規参入者向けにキッチンカー事業を支援。今年2月にはセミナーも開催し、30事業者が受講。キッチンカーのレンタルや運営ノウハウなどを専門家がレクチャーした。
緊急事態宣言解除後、同市が民間と協力して実施する初イベントに注目が集まった。当日は、人気バーガー店「TSUNAMI」、海上自衛隊カレーの「横須賀海軍カレー本舗ベイサイドキッチン」、タコライス、釜焼きピザ、空揚げ弁当、中華弁当などのキッチンカーが勢ぞろい。パンケーキの人気カフェ「BLUE MOON」の前には長い行列もできた。
レンタル車で出店した上海亭(若松町)の陳寛明さんは、「初めてのキッチンカーで手探りの出店。中華弁当など120食があっという間に完売。今後いろいろなイベントに出店してみたい」と意気込む。
創作料理「珠屋」(若松町)の五十嵐珠恵さんは、「店は常連さんのおかげで何とか持ちこたえているが、客足は戻らない。店の味を知ってもらいたいと用意した味噌おでんがすぐ完売してしまい驚きました。あすはもっと多く仕込みます」という。
昨年11月にキッチンカーで起業したという田中典美さん(Kitchen Car Season)は、「定年になり61歳からのチャレンジ。出店場所探しにはいつも苦労していますが、市の支援はありがたい。自慢のバターチキンカレーなど70食は2時間で完売した」と顔をほころばせる。軽バンの改造と調理機材導入に約300万円を費やしたという。
同市経済企画課の島内太郎さんは「待つだけの飲食店から、外へ出店して攻めの姿勢に転換する方法を今回提案しました。レンタル車両の補助、公園など出店場所の提供なども進めていきます」と話している。
26日には、出店者の一部を入れ替えて同公園で開催(10時~14時)。来月以降は、追浜東1丁目第5公園(4月12日・26日)、ハイランド4丁目公園(4月12日・26日)、山手中央公園(4月19日・5月10日)、野比松葉公園(4月19日・5月10日)、ソレイユの丘(5月1日~5日)などで開催予定。詳細は同特設サイトで確認できる。