「横須賀の海から世界の舞台へ」と意欲をみせるのは、ウインドサーフィンワールドカップ横須賀・三浦大会(5月10日~15日)に出場する山辺美希選手(25歳)。横須賀の中堅企業サガミの社員選手で、女子スラローム競技に来週参戦する。
「いまここに世界のトップ選手たちと一緒にいることに興奮しています。来年の東京オリンピックにもつながるのでいい結果を残したい。ウインドサーフィンの迫力とスピード感をまじかで見てもらえたら」といい、日に焼けた笑顔がまぶしい。
昨年に続き、W杯は2回目。材木座海岸にあるサーフショップ「Seven Seas」チームに所属し、湘南や津久井浜の海がホームグラウンドだ。選手歴は7年。
山辺さんは福岡市出身で、関東学院大学に進学。ウインドサーフィン部に入部し、自然を相手にする海のスポーツの魅力に取りつかれた。2012年、全日本大学生女子ボードセーリング選手権優勝。2015年、ウィンドサーフィンアジア選手権 テクノ293 A-17クラス準優勝。
日本オリンピック委員会(JOC)が推進するトップアスリート就職支援ナビゲーション「アスナビ」により、3年前にサガミに採用され入社。週3日出勤して事務作業をこなしながら、それ以外は海に出て終日練習に汗を流し、海外遠征にも参戦している。
海水に濡れた大きなセールを自由自在に動かすには、強い筋力が必要。腰を痛める選手も多い。筋力トレーニングを重視して、スクワットで108キロの重いバーベルを持ち上げるという。
世界33の国と地域から103人の強豪選手が集まるW杯。風上から風下に向かうコースをジグザグ走行する「スラローム」は、最もスピードが得られる競技で、トップ選手は時速80~90キロ台をたたき出す。
「地元の海を知り尽くしているのが強み。いい風をつかまえて気持ちを集中させ、思い切ったレース展開をしたい」。上位入賞を目指して「風」に乗る。