東京湾に浮かぶ人工要塞「第二海堡(かいほ)」の観光活用を目指す横須賀市は7月16日、船上からの見学クルーズとシンポジウム形式の講演会を開催する。横須賀集客促進実行委員会が主催。
明治から大正期にかけて、首都防衛のために海上要塞が設置され、東京湾の入口には3つの人工島が建設された。1881年に第一海堡の建設が始まり、1891年完成。第二海堡は1889年着工、1914年竣工と完成まで25年かかった。第三海堡は1892年着工、1921年に竣工した。
第三海堡は、1923年の関東大震災によって大きな被害を受け崩壊。大型船舶の障害となっていたため、2007年に撤去された。現存するのは第一海堡と第二海堡のみ。
戦後、第二海堡には神奈川県側から渡し舟で釣り人が渡航。1980年代には故・松田優作さんのアクション映画などロケ地としても使われた。その後浸食が進み、2005年から立入り禁止。現在、管理する国土交通省はコンクリートで固めるなど護岸整備工事を進めている。
「明治首都圏防衛から今《観光》へ」と題した講演会は、13時30分~16時30分。会場は横須賀市総合福祉会館6階(同市本町2)。入場無料。定員250人(当日先着順)。東京湾要塞の歴史や土木建設技術、ツーリズムと地方創生などをテーマに行う。講師は郷土史家・山本詔一さん、国土交通省・野口孝俊さん、防衛大学校教授・正垣孝晴さん、JTB総合研究所・山本真輝さんら。
見学クルーズの応募は7月12日まで。開催は16日11時~12時。参加費500円。三笠桟橋に集合。定員50人(抽選)。希望者はEメール(vacp-ec@city.yokosuka.kanagawa.jp)、またはFAX(046-824-3277)で申し込む。問い合わせは同市観光課(TEL046-822-9672)。