京急電鉄は12月14日、塗装途中の新1000形「白い京急電車」を試運転させ、金沢文庫~京急久里浜間において約1時間限定で運行した。試運転後、京急ファインテックス久里浜事業所に集まった報道陣に公開した。
「塗装途中の列車が営業時間中に運行することは異例」(同社広報)。同車両は、2018年1月から順次営業運転を始める新造車の新1000形ステンレス車体(第17次)。
ステンレス車体は2007年に登場し、京急車両の約3割を占める主力車両。それまでの全面塗装からフィルム貼りに変更することでコスト削減を図ってきた。近年、鉄道業界では無塗装・フィルム貼りのステンレス車両が主流となっているが、「京急らしさを取り戻すため、あえて全面塗装を11年ぶりに復活させる」(同社)とアピール。
運転車両部担当者は「全面塗装は手間も費用もかかるが、塗装のツヤなど仕上りは良くなる。鉄道ファンの皆さんの要望にも応えたい」と話す。1車両あたり数百万円のコストアップになるそうだ。
ステンレス車体の全面塗装は関東大手私鉄として初の試み。車内の情報提供装置(LCD)を2画面に拡大し、4言語(日・英・中・韓国語)表記にして増加する外国人利用者に対応する。来年、創立120周年を迎える同社では、車体番号に1200番台を予定している。