車いすマラソン「日産カップ追浜チャンピオンシップ2016」が12月3日・4日、横須賀市内で開催され、会場となった日産自動車追浜工場ゲストホール(横須賀市夏島町1)で、日本最小の日常用車いすトレーニングマシンが披露された。製造は、競技用車いすを開発、販売する日高輪業(静岡県富士市)。
陸上、マラソンやバスケット、ラグビー、テニスの競技用車いすの開発と販売を手掛けてきた同社。今年のリオパラリンピックでは、男子陸上400メートルと1,500メートル銀メダリストの佐藤友折選手、女子マラソン4位の土田和歌子選手、男子陸上5,000メートル4位の樋口政幸選手らに競技用車いす専用のトレーニングマシンを提供。これまでにパラリンピックに出場した9人を含め、33のトップアスリートのトレーニングを支えてきた。
その実績をもとに、日常用車いすを利用している人向けのトレーニングマシンの開発に取り組んだところ、日本最小の専用マシン「進清(セイシン)C」が完成。代表の藤巻進さんは、「これまで競技選手向けのトレーニングマシンの開発を優先してきたが、リオデジャネイロ・パラリンピックも終わり、日常用の車いすに対応したマシンの開発に取り組む時間ができた。障がいが重く、握力や腕を伸ばす力が弱い人たちが自宅で鍛えることができる小型のローラー台なので、邪魔にもならず使っていただけるのではないか」と話す。
マシンには「簡易型」と「設置型」の2タイプがあり、簡易型は持ち運び可能で場所を選ばずに使うことができる。設置型の方はやや重い分、安定感があり、ひとりで乗り降りすることも可能。「車いす利用者は、腕力や握力が弱るとわずかな坂道でも自力で上がることが困難になるなど、体力維持のための日頃のトレーニングが欠かせない。腕力や握力を鍛えれば、速く、遠くに、楽に移動でき行動範囲が広がる」(藤巻代表)
価格はコンパクトタイプが120,000円(税別)~、スロープ付きは200,000円(税別)~。
「日産カップ追浜チャンピオンシップ」への出展が5回目となった藤巻さんは、「障がいのある人もない人も分け隔てなくレースに参加でき、障がいを持つ子どもたちへのスポーツ講習会なども実施するこの大会で出会った方々との交流は、その後もずっと続いている。これからも毎年参加したい」と話した。