「よこすか産業まつり」会場の三笠公園(横須賀市稲岡町)で11月10日、横須賀・呉・舞鶴・佐世保の旧軍港4市が集まる「軍港グルメ交流会」が行われ、海軍カレー・肉じゃが・護衛艦カレーなどの各ブースに行列ができにぎわった。毎年4市が持ち回りで開催しているもので、今年で14回目。
舞鶴・呉の両ブースでは、発祥の地を巡って「肉じゃが」のPR合戦が繰り広げられた。肉じゃがは、「海軍の父」と呼ばれ日露戦争で活躍した東郷平八郎元帥が考案したものと伝わる。東郷が英国留学時代に食べたビーフシチューの味が忘れられず、水兵の脚気防止のため栄養価の高い肉じゃがを作らせたという。
1995年より「肉じゃが発祥は舞鶴」とPRを始めたのは、市民グループ「まいづる肉じゃがまつり実行委員会」。海上自衛隊第4術科学校(舞鶴市)に残る「海軍厨業管理教科書」のレシピに基づいて作った肉じゃがを市内飲食店などで広めている。
呉では、「くれ肉じゃがの会」が1997年に立ち上がった。「東郷元帥は明治23年に参謀長、同27年に海浜団長として呉に2度赴任。その後、同34年に舞鶴へ長官として行った」とし、呉にいた頃に肉じゃがが作られたと「東郷さんの肉じゃが」をPRする。
このことから発祥の地を巡って両市の間で「肉じゃが論争」が巻き起こった。「肉じゃが論争が起こることで相乗効果も期待できる」と呉の藤井泰彦会長。舞鶴の料理長・伊藤節子さんも「競い合うことで肉じゃがを極めていきたい」と意気込む。
横須賀では1999年に「カレーの街よこすか」を宣言し、海軍カレーを展開。同年、舞鶴に4市が集まり「グルメでまちおこし」共同宣言を行い、「旧軍港4市グルメ交流会」がスタート。「佐世保バーガー」で知られる佐世保では昨年、新商品「護衛艦風ビーフカレー」も開発し市内外に広めている。同交流会は来年、佐世保で開催予定。
当日は軍港グルメ4ブースで約3,000食を完売。横須賀のカレー事業者部会・村尾直人さんは「各地の軍港グルメが一堂に集まることで刺激し合い、お互いの街を盛り上げていければ」と期待する。
市内産業各分野の企業・団体など約140社が集まった「産業まつり」は10日・11日に開催され、2日間で約4万2,000人が来場した。