暮らす・働く

「坂の上の雲」の舞台、記念艦三笠で特別展-商店街で記念セールも

「坂の上の雲」の舞台となった記念艦三笠

「坂の上の雲」の舞台となった記念艦三笠

  • 0

  •  

 横須賀の記念艦「三笠」(横須賀市稲岡町)で現在、NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」放映に合わせて特別展「日露戦争に見る武士道」が行われており、近くの三笠商店街では「三笠ルネッサンスセール」も同時開催している。

特別展では、柔道の猛者だった広瀬中佐の柔道着なども展示

[広告]

 同艦は、明治時代の海軍参謀・秋山真之が実際に乗り組んでいた戦艦。NHKは昨年秋より、司馬遼太郎の歴史小説「坂の上の雲」を原作にした同ドラマを3年間にわたって13回放送。秋山兄弟と正岡子規の3人を主人公に、明治の日清・日露戦争を通して近代国家へ踏み出す青春群像を描いた作品。

 12月19日には、第8回「日露開戦」が放映される。三笠艦内では、主人公「秋山真之」役の本木雅弘さん、連合艦隊司令長官「東郷平八郎」役の渡哲也さんらが出演する日露戦争のシーンなどが撮影された。

 同特別展では、英語版の名著「BUSHIDO(武士道)」の著者で国際連盟事務次長も務めた新渡戸稲造、陸軍大将・乃木希典などをパネル展示で紹介するほか、ロシア駐在武官だった海軍中佐・広瀬武夫が愛用した柔道着などの遺品も展示する。三笠には、ドラマ効果もあって、昨年は37年ぶりに年間来訪者数が15万人を突破し、今年は約18万人が訪れている。

 同艦は、1902(明治35)年に英国で建造され、日露戦争では連合艦隊旗艦としてロシアのバルチック艦隊と歴史的な決戦を行った。1923( 大正12)年に現役を退き、1925(大正15)年に横須賀で記念艦として保存された。第2次大戦後、連合軍の占領政策により大砲・マスト・艦橋などが撤去され、米兵向けのダンスホールや水族館として使用されるなど混乱の中で荒れ果てたという。

 その後、若い士官時代に東郷長官と交流のあった米海軍ニミッツ提督がこれを憂慮し、雑誌「文芸春秋」に寄稿。日米双方から復元を求める声が上がり、募金活動が始まった。米海軍が寄贈した補給艦の売却資金なども修復基金の一部となり、1961(昭和36)年に現在の姿に復元された。昨年8月、横須賀に寄港した米空母「ニミッツ」の乗組員約120人が三笠の外装塗装工事をボランティアで手伝うなど、現在も親善交流が続いている。

 見学に訪れた東京都大田区在住の女子大生は「ドラマを見て本物の戦艦が見たくなった。艦内は思ったより広く、歴史を肌で感じた」という。同艦を運営する「三笠保存会」広報担当の曽川正さんは「土日には観光バスなどで1日千人以上が来訪する。来年は復元50周年を迎え、5月に記念イベントも予定している」と話す。

 特別展は来年3月21日まで。観覧時間は9時~16時30分。入場料は大人500円、高校生300円、小・中学生無料。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース