京急電鉄の一部の駅で11月中旬から、電車の接近案内を知らせる「駅メロディー」にオリジナル曲が採用されている。横須賀市内の横須賀中央駅では「横須賀ストーリー」、浦賀駅では「ゴジラ」のメロディーなど、地元ゆかりの曲が流れて利用者を和ませている。
駅メロディーは電車の接近を知らせる案内音で、駅手前にある感知機を電車が通過するとホームに音楽が流れる仕組み。主要16駅で駅利用者を対象に、駅にふさわしい楽曲が一般公募された。鉄道駅に親近感を持ってもらい、駅周辺地域のPRを促進するのが目的。11月18日に羽田空港駅で使用が始まり、2009年3月までに16駅すべてに導入する。同社によると、鉄道事業者が駅メロディー用の楽曲を公募するのは今回が初めて。
今年7月から8月にかけて、はがきと携帯着信メロディーサイトで行った公募には2,177通の応募があった。この結果を踏まえて乗客に分かりやすい楽曲であることや、各駅周辺の地域色を感じることが可能な曲であることを基準に同社で選定した。最も応募が多かったのは横須賀中央駅で、300通を越える応募のうち半数近い130通が「横須賀ストーリー」を挙げた。2番目は横浜駅の「ブルーライトヨコハマ」で76通、3番目は堀ノ内駅の「かもめが翔んだ日」51通だった。
「横須賀ストーリー」は横須賀にゆかりのある山口百恵さんが歌った。「かもめが翔んだ日」は堀ノ内出身の渡辺真知子さんが歌った曲で、駅ホームからも海が望める。浦賀駅の「ゴジラ」は、観音崎・たたら浜に東宝映画のゴジラが日本初上陸した第1作に由来する。久里浜駅の「秋桜」はくりはま花の国のコスモスを連想させる、さだまさしさんと山口百恵さんの曲。三崎口駅の「岬めぐり」は三浦半島の三崎地区が舞台となった山本コウタローとウィークエンドのヒット曲…などが選定の理由として挙げている。
同企画を提案した同社広報宣伝課の高橋太一さんは「以前はどの駅も同じメロディーが流れていたが、せっかく音楽を流すならご当地ソングなど地域に密着したものにできないかと考えて提案した。公募では浦賀のゴジラなど意外な発見もあって、利用者の方々から教えられることも多かった」と振り返る。