「YOKOSUKA軍港めぐり」を運航するトライアングル(横須賀市小川町28)は5月28日~30日、千葉・幕張メッセで行われた観光博覧会「旅フェア2010」に出展し、ジオラマ模型で「軍港めぐり」バーチャル体験ができるコーナーを設けるなど横須賀観光をPRして好評だった。
ジオラマ模型は、700分の1スケールの日米艦船模型18隻を配置して横須賀本港の景観を再現したもの。港内には鉄道模型で使うZゲージの線路を敷き、超小型CCDカメラを搭載した観覧船「シーフレンド5」の模型を走らせ、ミニチュア船上カメラの映像をモニター画面で見ることができる仕組みで、「バーチャル軍港めぐり」を体験できる。
艦船は市販のプラモデルに本物そっくりの塗装を施し、米海軍基地や海上自衛隊の桟橋・施設なども忠実に再現し、同社スタッフ3人が約1カ月かけて製作に取り組んだ。製作費は約50万円。
製作チーフは潜水士の資格を持つ永井悟郎さん。横須賀本港に実際に停泊する艦船の模型を選び、米イージス艦や海自護衛艦、潜水艦、最新型ヘリコプター搭載大型護衛艦「ひゅうが」も実物通りに配置した。永井さんは「部品一つ一つを塗装して細部までこだわった」という。「米空母ジョージワシントンには多数の艦載機も乗せ、クレーンなどの装備も多く手間が掛かったが、手を加えるうちにのめりこんでしまった」と振り返る。ジオラマの中でCCDカメラ搭載船を低い位置からゆっくり動かすことで、「本物の軍港めぐりに近い立体的な映像になるよう工夫した」と話す。
当日は、軍港めぐり女性案内人・滝元梓さんも出張し、軍港ジオラマの説明役を務めた。滝元さんは「ジオラマ模型は空から見たスケール感と、CCDカメラで船上からの目線でバーチャル体験が同時に味わえ、実際の案内とは違った独特の楽しみ方ができる」といい、「家族連れや若い人たちが熱心に見入って、バーチャル・クルーズを楽しんでもらえた」とほほ笑む。
出展ブースには、どぶ板通りの看板やヨコスカネイビーバーガーのイラストなども飾り付け、海軍カレー、記念艦三笠、観音崎公園など周辺観光の案内パンフレット2万枚を配布して横須賀観光をPR。同フェアには、3日間で約12万人が来訪した。
同社企画担当の泉谷翔さんは「ホテル関係者から引き合いもあり、ジオラマ模型の貸し出しも検討中」とし、「軍港めぐり宿泊パックなどで他業種とのコラボも進める予定。横須賀を観光で盛り上げていけたら」と期待を寄せる。