横須賀の記念艦「三笠」(横須賀市稲岡町)で11月29日、NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」放映に合わせて特別展「秋山真之と正岡子規」が始まった。同艦は明治時代の海軍参謀・秋山真之が実際に乗り組んでいた戦艦。
オープニング・セレモニーには、子規の孫・正岡明さん、真之の孫・大石尚子さん(民主党参議院議員)、吉田雄人・横須賀市長も出席し、特別展を見学した。大石さんは「親友だった2人の友情や人間の絆など若い人たちの参考になれば」と話す。
同特別展では、真之と子規の友情を記した手紙、写真、歴史背景の解説ビデオ・パネルなどを展示。今回初めて、子規の妹・律の写真や資料、使用していたバスケットなどの遺品も展示する。
NHKは29日夜より、司馬遼太郎の歴史小説「坂の上の雲」を原作にした同ドラマを3年間にわたって13回放送する。秋山兄弟と子規の3人を主人公に、明治の日清・日露戦争を通して近代国家へ踏み出す青春群像を描いた作品。キャストは「秋山真之」に本木雅弘さん、「秋山好古」に阿部寛さん、「正岡子規」に香川照之さん、子規の妹「律」に菅野美穂さん。戦艦三笠では、昨年3月より日露戦争のシーンなどの撮影が行われた。
横須賀市と松山市は今年4月、ドラマの舞台となる両市が連携して「集客」をテーマに期間限定の都市協定を結んでおり、PR活動など連携プロジェクトを実施する。吉田市長は「ドラマを機に松山市とも協力しながら広報活動を展開する。横須賀の観光資源を全国にアピールするため、来年は『シティー・セールス元年』として重点的に取り組みたい」と意気込む。
観覧時間は9時~16時30分。観覧料は、大人=500円、高校生=300円、小・中学生=無料。特別展は来年5月9日まで。