横須賀のピアノ調律専門会社「サウンドウェーブ」(横須賀市追浜南町1、TEL 046-866-3201)で11月26日、「アンティーク・ピアノ展」が行われ、新進女性ピアニスト3人による演奏も行われた。
会場には、ヤマハピアノの原型といわれる1910年ごろに製造された「山葉洋琴堅型ピアノ」、米国ボルドウィン社のドロップアクション・ピアノ、手作りピアノの最高峰といわれるクロイツェル・ピアノKE605などを展示。海外で活躍する横須賀出身ピアニストの宮川久美さん、平田真希子さん、小川遥さんの3人がアンティーク・ピアノを演奏し、各ピアノによる音色の違いを表現した。
アンティーク・ピアノを演奏した宮川さんは「古いピアノには独特の柔らかさと温かい音色がある」という。平田さんは「国産ピアノは品質も安定しており、名品といわれる海外ピアノに負けていない。演奏会でも曲目によってピアノを使い分けている」と話す。
現在、日本で集められた中古ピアノはヨーロッパ・アジアに輸出されているが、中には貴重なピアノも混じっており、「ヨーロッパで再生されてコンサート会場で使われることも多い」(小川さん)と指摘する。
同社の斉藤雅顕社長は「旧海軍の街として栄えた横須賀には戦前からピアノが普及し、今では骨董(こっとう)品となったピアノ、眠っているお宝ピアノも多い。古いものでもきちんと調整を行えば再生できる」と話す。「中古ピアノの価値に気付いてほしい」とも。