横須賀の「カスヤの森現代美術館」(横須賀市平作7)で6月20日、キャンドルの炎を使った大畑周平さんのアートパフォーマンス「lumiere」が開催された。電気を消してスローな夜を提唱する「100万人のキャンドルナイト」の一環。市内外から約100人が参加した。
同パフォーマンスは「からだの中に炎をともす」がテーマ。ろうそくの代わりに、紙状にしたヨモギの芯を付けた特製チョコレート100個に火をともし、2~3分後に溶け始めたチョコレートを「炎がついたまま食べる」もの。大畑さんは「炎を口にするという体験は、甘い香りとともに新鮮な特別な記憶となる。試行錯誤を重ねて作った特別なチョコレートで、やけどしないよう食べ方にも注意が必要」と話す。
現代作家の大畑さんはプロダクト・デザインに彫刻的な手法を取り入れるのが特徴で、「お香として燃やせる硬貨」「燃えたまま食べるチョコレート」「流れるプール」など体験型のアート作品を展開している。
同時にキャンドルの明かりの下で、大口俊輔さんらによるピアノ・アコーディオン・ギターのファンタジックな演奏も行われ、参加者は電灯を消した静かな夜のアートを楽しんだ。
同館は現代美術を展示する私設美術館で1994年に開設。ヨゼフ・ボイスやナム・ジュン・パイクの作品を常設展示するほか、国内外の現代作家の作品を企画展示する。