海軍カレーなどを販売する調味商事(横須賀市小川町、TEL 046-827-2513)は11月上旬、東日本大震災で被災した東北の蔵元を支援する新商品「清酒三笠」「Z旗ビール」の販売を始めた。
同商品は、「世嬉(せき)の一酒造」(岩手県一関市)が製造し、記念艦三笠を運営する三笠保存会、YYポート横須賀などで販売。昨年3月の震災でインフラが止まり、醸造タンクも破損した酒造メーカー復興に協力し、継続的支援を行いたいと商品開発したもの。
調味商事の瀬戸明さんは「昨年は横須賀のカレー事業者とともに被災地支援を行ってきた。震災の傷が未だに癒えない東北地方にビジネスを通じて何かできないかと考え、食品展示会で知り合った同酒造とのコラボが実現した」という。
「災害派遣で活躍した海上自衛隊と縁の深い横須賀らしい商品とのコンセプトもあり、記念艦三笠で販売することになった」(瀬戸さん)とも。三笠が1900年11月8日に英国で進水した日にちなみ、今年11月8日から販売開始した。
「清酒三笠」は、奥羽山脈の水と米を使い澄んだ飲み口が特徴の本醸造酒。ラベルには、三笠に座乗し日本海海戦で活躍した東郷平八郎元帥直筆の「三笠」(花押入り)の書を使用。サイズは720ミリリットルで、価格は1,500円。
「Z旗ビール」は、三笠が英国で造船されたことから味わい深い英国式エールビールに仕上げた。「Z旗」は日本海海戦時の三笠艦上に掲げられ、「勝利」を祈願した特別の意味を持つ4色の国際信号旗。330ミリリットルで価格は520円。
「市内飲食店などにも順次販路を拡大し、蔵元支援の輪を広げていきたい」(同商事)としている。