雑誌「ぴあ」の表紙を36年間描き続けた横須賀育ちのイラストレーター・及川正通さんの個展「ヨコスカ-TOKYO-ぴあ 及川正通イラストレーションの世界」が9月29日より、横須賀美術館(横須賀市鴨居4)で開催される。
同展では、「ぴあ」草創期の表紙を飾った「フレンチコネクション」「ET.」など映画・タレントキャラクターの表紙イラスト約200点をそろえるほか、及川さんが横須賀「さいか屋」勤務時代にデザインした包装紙や催事・演劇ポスター、劇画、防衛大学校ポスターなど初期作品も特別公開。ライフワークとして取り組んでいる大型イラスト「街」シリーズの第1作「ヨコスカ」を初披露する。
及川さんは1939年、中国・大連生まれ。1955年、中学卒業後に横須賀「さいか屋」デザイン課に就職。1964年より主婦と生活社、1968年に横尾忠則と「ジ・エンドスタジオ」を発足し、イラストレーターとして独立。雑誌連載や劇団天井桟敷の公演ポスター・舞台美術も手がけた。1975年より「ぴあ」表紙イラストを担当し、2011年に休刊するまで36年間休むことなく描き続け、ギネス世界記録にも認定された。
同美術館学芸員の冨田康子さんは「及川さんの作品はグラフィック資料としても貴重なもので、それぞれの時代の世相や流行を振り返ることができる。皆さんにも思い出深い作品があるのでは」と話す。
12月16日まで。開館時間は10時~18時。毎月第1月曜休館。観覧料は一般300円、中学生以下・市内在住在学の高校生は無料。