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被災地の今を伝える3D画像公開-横須賀のIT企業、がれき処理支援サイト立ち上げ

岩手県大船渡市の現状を伝える3Dパノラマ画像(3月18日撮影、3DSurveyplus提供)

岩手県大船渡市の現状を伝える3Dパノラマ画像(3月18日撮影、3DSurveyplus提供)

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 横須賀のIT企業・3DSurveyplus(スリーディーサーベイプラス、横須賀市久里浜7)は3月24日、「震災がれきの実態を伝えたい」と東日本大震災で被災した岩手県大船渡・陸前高田両市の現状を伝える3Dパノラマ画像をウェブサイト上で公開した。

被災者が立ち上げたビニールハウスの「復興居酒屋がんばっぺし」の様子

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 同社は、2008年に設立した3次元画像処理専門会社。3月18日にスタッフが現地を訪れ、約50カ所で1,400枚以上のデジタル画像を撮影し、360度パノラマ映像として公開。「震災津波がれき処理支援プロジェクトサイト」を立ち上げたもの。

 同サイトでは、がれきが山積みのまま放置されている現状や被災した建物内部、無人の駅前商店街、営業再開したホテル、被災者が自ら始めた復興居酒屋の様子なども閲覧できる。放射線測定器を持ち込み放射線量も記録した。

 撮影を担当した堂城川厚さんは「がれき処理問題が進まない中で現状を正確に知り、伝える必要があると思った」といい、「被災地は異国の廃墟のような姿で言葉を失った。1年も経っているのに…」と振り返る。

 同社は、地下トンネルや古代遺跡、工業プラントなど特殊な現場で3次元計測や3D画像提供が専門。昨年3月の震災後、福島第1原発事故の調査協力を打診され、原発施設内で防護服を着用して写真撮影の仕事を続けてきたという。

 「原発で作業しながら周囲の被災地のことがずっと気になっていた」と堂城川さん。パノラマ画像には、震災前の街頭写真や各種施設のホームページなどのリンクも貼り付け、過去と現在の姿を比較できるよう工夫した。

 震災から1年後の姿を記録に残し、今後どう変わっていくかも追いかけていくという。堂城川さんは「復興の妨げになっているがれきをどう処理するか、皆で考えるきっかけになれば」と話している。

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