深海探査の最先端をゆく「海洋研究開発機構JAMSTEC」は5月16日、横須賀本部(横須賀市夏島町2)の施設を一般公開する。施設内では、深海潜水艇や海洋調査船が見学できるほか、地球環境に関するサイエンス・セミナーなど多彩なイベントを開催する。今年で36回目。.昨年の来場者数は3,100人。
同本部の「地球システム科学館」では、 「地球システムをCO2から見てみよう」をテーマに企画展示をするほか、今回はじめて各分野の研究者と参加者がお茶を飲みながら交流する「サイエンスカフェ」を実施する。NHK・地球深海部探査船・国際宇宙ステーションとの映像コラボレーション企画「地球LIVE~地球の肺、森と海に迫る危機」、海洋に関する「公開セミナー」なども予定する。
海洋調査船「かいよう」の体験乗船では、横須賀港・猿島沖までの約1時間のクルージング(当日抽選)を行うほか、日本初の有人潜水調査船「しんかい2000」コックピット体験見学会(抽選で72人限定)を実施。子こども向けの実験教室やペーパークラフト作りをする「キッズプラザ」、研究者が仕事場を案内する「ラボツアー」、シーサバイバルなどの各種実演、スタンプラリーもある。
同機構は文部省所管の独立行政法人。前身は1971年に発足した「海洋科学技術センター」で、2004年に組織変更されて「海洋研究開発機構」となり、深海探査や地球物理学研究のために設立された研究所。横須賀本部のほか横浜・青森・高知・沖縄に研究施設をもつ。同本部は日本初の深海潜水艇の開発をはじめ、地球観測プロジェクトの調査船、世界最大級のスーパーコンピューター「地球シミュレーター」などを運用している。
横須賀本部広報課の田代省三さんは「体験型イベントで家族連れでも楽しめる。科学に興味をもつ人には研究者との意見交換など交流タイムも設けており、1日ゆったりと知識を吸収できる場として利用してもらえれば」と話す。
開催時間は9時30分~16時。詳細はサイトで確認できる。