定時制高校で学ぶ若者たちの姿を記録したドキュメンタリー映画「月あかりの下で~ある定時制高校の記憶」上映会が6月12日、横須賀市立青少年会館ホール(横須賀市深田台)で開催される。主催は神奈川自主上映ネットワーク。
同作品は、定時制高校のあるクラスの若者たちの姿を中心に、入学から卒業までの4年間やその後を追いかけたドキュメンタリー。さまざまな事情で夜間学級に通う世代を超えた生徒たち。派手なメイクで教師に暴言を吐く女子生徒、家庭内暴力が原因で登校できなくなった生徒…。家庭や社会の歪みに傷つきながらも夜間学級に居場所を求め、悩み支えあって過ごした日々とその先に見えた希望を描く。映画の舞台は、2008年に閉校となった埼玉県浦和商業・定時制課程。
演出・撮影・編集は太田直子さん、プロデューサーは田野稔さん。2007年にテレビ放映され反響が大きかった作品を再編集して、昨年映画が完成した。2010年度日本映画ペンクラブ・文化映画部門第1位、文化庁映画賞・文化記録映画優秀賞などを受賞。
同ネットワークの福寿祁久雄(ふくじゅきくお)さんは「上映会の準備をしている間に震災が起きた。電力不足で夜間学級に電気が来なくなったという投書もあり、今上映することに意味があると思った」といい、「夜間学級は社会の縮図で、作品にはさまざまな生き方が描かれている。映画を上映することで応援できれば」と話す。
上映時間は13時、15時30分、18時~の3回。入場料は当日=1,000円、前売り券=800円。横浜・横須賀・鎌倉でリレー上映し、6月4日にはヨコハマ創造都市センター(横浜市中区)でも上映予定。問い合わせは同ネットワーク(TEL 090-8174-7791)まで。