横須賀・どぶ板通りの名物ソウルバー「CUSTOM(カスタム)」(横須賀市本町1)で、30周年を記念したCD「SOUL BAR CUSTOM 30TH ANNIVERSARY MIX VOL.1」が制作され、R&B好きな米国人や若者たちの間で話題を呼んでいる。
1980年代のアメリカンバーの雰囲気を持つ「CUSTOM」店内
同CDは、カスタムに集まる米海軍横須賀基地の兵士たちが長年に渡ってリクエストし続けてきた1970年代~80年代のメロウソウルを厳選したDJMIX版。DJグループ「BEETNICK&ROCK EDGE」により1曲ずつ再編集され、途切れないクルーブ感を演出した作品で31曲を収録。同店の元スタッフでDJの岩角如弘さんが企画した。
名物マスターの「SHUN」さんこと山崎俊(たかし)さんが収録曲のコメントを書いた冊子が付く。山崎さんは「カスタムで30年間プレイされ続けた定番曲やカバー曲などをセレクトしたもので、若者から年配のファンまで楽しめる内容」という。
山崎さんは1981(昭和56)年、24歳のときにどぶ板通りの外れに8坪の小さなバー「CUSTOM」をオープン。当時、ソウル曲をプレイするバーがなかったため、基地に勤務する米国人兵士たちがまたたくまに集まり、毎晩大合唱パーティー状態だったという。1989年に現在の場所に移転し、32坪の店にリニューアル。この頃、ニューミュージックやブラックミュージックがブレイクした。1990年に渡米して黒人音楽の本場シカゴから南部を回り、ソウルフードを体験。同店でも米国南部スタイルのソウルフードの提供を始めたという。
「この30年間で、米海軍艦船が入れ替わるごとに客層も変わり、ドルが200円から100円を切るなど円高でどぶ板通りの環境も大きく変わった。そんな中でもカスタムは変わることなく、本国から遠く離れた音楽好きな米国人のブラザー&シスターたちにR&Bの良心を伝え続けている」と山崎さんは話す。
営業時間は19時~深夜まで。