軍港めぐりなど軍港関連観光が「産業観光大賞」に-視点の斬新さを評価

産業資源を活用した「YOKOSUKA軍港めぐり」は新しい横須賀観光の人気スポットに。観光バスの団体客などで連日にぎわう

産業資源を活用した「YOKOSUKA軍港めぐり」は新しい横須賀観光の人気スポットに。観光バスの団体客などで連日にぎわう

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 観光誘致を推進する横須賀市・横須賀集客促進実行委員会・トライアングルが第3回「産業観光まちづくり大賞・特別賞」を受賞した。9月28日、同賞を主催する日本観光協会(東京都中央区)が発表した。

要塞跡など歴史遺産が残る、東京湾の無人島「猿島」

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 同賞は、観光による地域振興の新しい手法として「産業観光」による観光まちづくりを実践し、他の地域の模範となる優れた事例を表彰するもの。金賞は「北九州エコタウン」を実施する北九州市(福岡県)、銀賞は体験型観光メニューを提供する函館市(北海道)と益子アートウオーク実行委員会(栃木県)、特別賞は同市・関係団体ほかYKK・黒部市(富山県)が、それぞれ受賞した。

 審査基準には、提供価値や編集視点の斬新さ、商品力、ビジネスモデル、国際競争力、地域テーマとの連携など7項目を挙げ、学識経験者などによる審査会で選定した。

 同協会は特別賞の受賞理由として「横須賀は軍港・基地というマイナスのイメージを逆転し、軍港産業資源を『ハイブリッド遺産』という視点」に転換したことが優れているとし、「軍港クルーズの開発・運航、ウオークラリーやガイドツアーの企画・実施、さらにヨコスカネイビーバーガーなど食の要素を取り入れ、軍港のストーリー化を図り、観光戦略を積極的に行っている」としている。新旧の組み合わせによる地域資源の「ハイブリッド(新種)化」を高く評価したもの。

 横須賀市・横須賀商工会議所・京浜急行電鉄で構成する「同集客促進実行委員会」はアクティブな観光誘致・広報活動に取り組んでおり、昨年9月から定期運航するトライアングルの「YOKOSUKA軍港めぐり」が利用客9万人を超える人気スポットになったほか、今年1月には米海軍伝統のレシピによるネイビーバーガーを基地周辺飲食店と連携して商品開発した。

 同市の産業遺産には、日本初の大規模造船所「浦賀ドック」など近代化遺産が数多くあり、ボランティアガイドと連携した観光マップの作成、「よこすか海軍カレー」など関連商品も開発。重要文化財級の要塞跡が残る「猿島」は1995年「猿島航路」再開以来の来島者が100万人を突破、「記念艦・三笠」などの軍港関連施設には昨年度36万人が訪れている。

 トライアングルの鈴木隆裕さんは「この受賞をきっかけに多くの人が観光を意識したまちづくりに参加して、横須賀全体の活性化につながれば」と期待を込める。集客を担当する同市企画調整課の安田憲二さんは「市外の人たちが楽しめる横須賀観光スポットをさらに充実させて、横須賀の魅力を全国に発信したい。大勢の人に来てもらえたら」と話している。

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