推理作家・山口雅也さんが新連載小説-「ガリバー旅行記」続編を描く

「ガリバー日本上陸地」との説がある観音崎で作家・山口雅也さん

「ガリバー日本上陸地」との説がある観音崎で作家・山口雅也さん

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 横須賀在住のミステリー作家・山口雅也さんが8月上旬、「別冊文藝春秋」9月号に「ガリバー旅行記」を題材にした新連載小説「狩場最悪の航海記」を発表して話題を呼んでいる。

 同小説では、江戸時代に日本に上陸したガリバーがサムライ・狩場蟲斎(かりばちゅうさい)と出会ったことから、将軍・徳川綱吉との謁見をはじめ様々な事件に遭遇する。やがてガリバーと狩場は「2人のガリバー」として諸外国を旅することになり、冒険を繰り広げるというストーリー。

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 1726年に出版されたジョナサン・スウィフトの「ガリバー旅行記」には、ガリバーが日本に上陸したのは「1709年5月」と記される。上陸地点の「ザモスキ(Xamoschi)は地理的記述から観音崎(Kannonsaki)」との民間研究者による仮説があり、連載小説の冒頭には観音崎上陸シーンや「ウララカ(浦賀)奉行所」との交渉の様子なども描かれる。

 ガリバーをテーマにまちおこしに取り組む市民団体「よこすか未来塾」の桐ヶ谷良之さんは「ガリバー日本上陸300年にあたる今年、奇遇にもこうした連載小説が始まったことをうれしく思う」といい、「ガリバー観音崎上陸を再現したイベントなど様々な企画を行っており、話題性がさらに広がってきた」と話す。米国では今年3月より、「20世紀フォックス」がジャック・ブラック主演で「ガリバー旅行記」の映画化を進めているという。

 横須賀出身の山口さんは1989年に「生ける屍の死」で作家デビュー。1994年には「日本殺人事件」で第48回日本推理作家協会賞を受賞。近著に「キッド・ピストルズの最低の帰還」「新・垂里冴子のお見合いと推理」などがある。

 山口さんは「5年前から構想を練っていたが、偶然が重なって観音崎上陸説をきっかけに物語の形が見えてきた」という。「スウィフトの原作は社会風刺の側面も強く、大人が読んでも味わい深い。原作ではわずか数頁しかなかった日本上陸篇だが、日本のガリバーともいえる博識で行動力のあるサムライと出会うことで物語が膨らんでいった」と話す。来年秋には単行本化の予定。

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