スマートフォンゲームの世界的イベント「ポケモンGO サファリゾーン横須賀」が8月29日~9月2日の5日間にわたって開催され、20万人以上(ユニークユーザー数)のゲームプレイヤーが横須賀に来訪したことがわかった。ポケモンGO開発チームが公表した。
抽選に当たって、イベント会場にチェクインした「トレーナー」(ポケモンプレイヤー)は6万5,000人。会場となった3つの公園の1つ以上を訪れ、1人あたり平均3.75キロ歩き、1日あたり310万匹のポケモンを捕まえた。
会場内では、アフリカにしか現れないレアなポケモン「トロピウス」、さまざまな姿の「アンノーン」が多数出現し、スマホを手にしたトレイナーたちが歓喜の声を上げた。
会場エリアは、ヴェルニー公園・三笠公園・くりはま花の国の3カ所。参加チケット(web登録)は今回初めて抽選制になり、国内外から多数の応募があった。世界規模で行われた「ポケモンGO サマーツアー 2018」の一環で、ドイツ・米国・日本の3カ所限定で実施。横須賀会場は、横須賀集客促進実行委員会が主催し、米国Niantic、ポケモン社が協力した。
同期間中、うみねこポケモンの「キャモメ」が世界中に現れたほか、日本各地で「ラルトス」「ナマケロ」「ダンバル」など珍しいポケモンも姿を見せ、イベント会場以外でもゲームを楽しめる仕組みになっていた。同時開催となった「ウィロー博士のグローバルチャレンジ」では、世界中で発生する特別なボーナス、「ほしのすな」を獲得するチャンスもあり、多様なゲームの楽しみ方が提供された。
会場周辺では、イベント当選者(1組3人まで)のカップルや家族連れ、シニア世代のグループ、台湾・韓国・香港・アメリカ・オーストラリアなど海外からの来訪者も。当選に外れた人たちも、「フレンド機能を活用したポケモン交換」を目的に多数訪れていた。
近くのドブ板商店街では、地元名物・海軍カレーやネイビーバーガーなど飲食店に長蛇の列ができた。会場や商店街では、黄色いピカチュウ・サンバイザーやポケモンボール柄のゴミ袋を配布、買い物をすると特製シールがもらえるサービスも用意した。
おそろいの「コイキング」帽子をかぶった60歳超シニア団体十数人は「静岡のポケモンコミュニティーの仲間たち」だという。大和市から来た母親と小学生2人は「フレンド募集」のプラカードを下げて歩き回り、ポケモン交換に励んでいた。福岡在住の40代男性(飲食店経営)は格安航空券を使って3日間滞在し、「50人以上ポケモンフレンドが増えた。店をアルバイトに任せて来てよかった」とほほえむ。
山梨県在住の70代夫婦は長男が運転する車に同乗して来訪。「地元にはポケモン仲間のLINEグループ(130人)があり、当選したのはわずか4組。おかげさまで横須賀観光も楽しませてもらっています。仲間へのお土産ポケモンをたくさん持ち帰ります」と笑顔をみせる。
横浜在住の30代女性4人組は「抽選には外れたが、イベントの様子を見に来た。今まで横須賀に来たことがなかったが観光しながら地元グルメも体験したい」と話した。
ドブ板通りの入口には、地元ファンらが空き店舗を活用した「無料コミュニティースペース」を開設。初日にユーチューバ―が取材し、YouTubeやツイッターに映像をアップされると翌日から人気スポットになり、1,000人以上が訪れた。
横須賀市は2014年より、位置ゲーム「Ingress(イングレス)」を観光に活用した先進自治体として知られる。その後、ポケモンGOがリリースされて大ブレイク。IngressのゲームスポットがポケモンGOにも継承されたことから、同市は2016年8月に「横須賀GO宣言」を行い、「ポケモンGOで遊ぶ」講演会や市街地回遊MAPを配布するなど、受け入れ態勢を独自に整えていた。
横須賀市観光課の矢部賢一さんは「市内外からこんなに大勢訪れていただき驚いている。横須賀の魅了を知ってもらうきっかけになれば」という。「地元商店街もイベントを一緒に盛り上げてくれた。Niantic社の協力で、前年イベントの反省点や教訓を共有し、安全面や猛暑にも配慮した。人気ゲームを活用した実験的なイベントで、大きなトラブルもなくホッとしている」と振り返った。