ロンドンオリンピックに初出場するセーリング女子・須長由季選手らの激励会が7月6日、さいか屋横須賀店(横須賀市大滝町)で行われ、買い物客らが大きな拍手とともにエールを送った。
当日は、セーリング男子・日本代表の富澤慎、牧野幸雄、高橋賢次選手らも顔をそろえ、同店ほか市役所正庁で壮行会も行われ、約300人が応援に集まった。
31歳になる須長選手は、さいか屋横須賀店・子ども服売り場「ミキハウス」に勤務。子どもたちから慕われる明るい人柄で、3年前から横須賀市内に在住。セーリングの練習フィールドは同市東海岸の津久井浜。同店に週5回勤務しながら、週末2日間の集中トレーニングで世界選手権を勝ち抜き、3度目の挑戦でオリンピックへの切符を手に入れた。
女子ウインドサーフィン「RS:X級」の日本代表に選ばれた須長選手。明治大学在籍中、171センチの長身を生かし、ウインドサーフィン学生チャンピオンに。卒業後は、2人乗りヨット競技「470級」に転向し、アテネ五輪を目指したが願いを果たせなかった。
その後、ウインドサーフィンにカムバック 。北京五輪の最終選考ではライバルに惜敗。今年3月の世界選手権で優勝を果たし、悲願だった日本代表の座をようやくつかんだ。
「あっというまの4年間だった。失敗から学んだことを生かし、メンタル面や体力トレーニングなどできることは全てやった」と須長選手。ロンドンで競技舞台となる海は強風が吹き荒れる場所として知られ、ウインドサーフィンでは風を読む感覚と帆のコントロールが重視される。須長選手は「津久井浜の海と同じように感じられるまで練習を繰り返し、いい風をつかむ」という。「皆さんの応援を追い風に、世界の頂点を目指したい」と笑顔を見せる。
さいか屋横須賀店の杉浦正典店長は「同じ店で働くスタッフがオリンピックに出場することになり感慨深い」といい、「店舗入口に大きな日の丸を掲げ、皆さんからのメッセージも書き込んでもらい、地元代表として出場する須長選手を応援したい」と話している。
ロンドン五輪には、セーリング女子470級・近藤愛選手、 セーリング男子3選手(トヨタ自動車東日本=旧関東自動車)、女子サッカーの近賀ゆかり・大野忍・矢野喬子選手(ともに横須賀シーガルズ出身)、男子サッカーの斎藤学選手(横浜F・マリノス)など、横須賀ゆかりの9選手が出場する。