計画停電の影響で市内イベント中止が相次ぐ中、横須賀の市民アーティストらが立ち上がり、3月27日、ショッパーズプラザ横須賀(横須賀市本町2)で「東日本大震災チャリティーイベント」を行う。当日は同2階センタープラザステージで、キッズダンスチーム「M.H Fit&Dance」など125人が出演し、「ヨコスカ・ダンス・プラネット」を開催する。
「物理的な停電が続く中で、心まで停電させないでほしい」。イベントを主催する市民アーティスト・グループ「よこすかアーティストフェスティバル」代表で、ミュージシャンの小島英治さんはそう言う。「音楽で笑顔あふれる街ヨコスカ」を合言葉に、「勇気と元気を横須賀から全国に発信していきたい」と話す。
1週間前、ダンス・インストラクターの橋本美幸さんから「横浜でダンスイベントが中止になった。横須賀のメンバーで再編成するので実施できないか」と同フェス事務局へ相談の連絡が入った。橋本さんは「長い時間をかけてメンバーとともに練習してきたので、中止の知らせを聞いて断腸の思いだった」という。
震災から10日が過ぎた頃、計画停電の合間に地元の子どもたちによるダンス・リハーサルが行われた。周囲の大人たちは思いつく限りの万全策を用意して、練習する子こどもたちを見守った。子どもたちも、そんな心配りを受け止めて懸命にダンス練習に汗を流した。「停電に負けずレッスンに励む姿を見て、希望の光も見えてきた」と関係者はいう。
橋本さんは「避難所の体育館などにいるダンサーのみなさん、決してあきらめないで。いつか明るいステージで踊る日が来ることを信じてください」と被災地へエールを送る。
代表の小島さん自身も、11日の地震当日は大津波警報が出る中、2人の子どもを連れて家族とともに馬堀小学校に避難。「避難所で不安な一夜を過ごす中で感じたこと、被災地のことを考えながら葛藤したが、チャリティー運動としてイベント再開を決めた」と振り返る。
「被災地の復興には2年以上掛かるかもしれない。そんな現実を受け止めた上で、復興するまでチャリティーイベントと募金活動を続けていく」と小島さん。集まった募金は、横須賀市を通じて日本赤十字に寄付する。
同フェス事務局は、「市民同士のつながりで力を合わせ、音楽やダンスを通じて横須賀を元気にしよう」と市内外のアーティストたちに呼び掛けている。1991年8月に発足した同フェスは、市民参加のライブステージなどの場を提供し、イベントを開催し続けて今年で20周年を迎える。
開催時間は13時~17時。同フェスでは出演アーティストも募集している。問い合わせは同事務局(TEL 046-825-1080)まで。