「横須賀市民劇場プロジェクト」が旗揚げ公演-家族ドラマをコミカルに描く

本番を前に「はるなつあきふゆ」の舞台けいに熱が入る。写真左は発起人の吉本敏克さん

本番を前に「はるなつあきふゆ」の舞台けいに熱が入る。写真左は発起人の吉本敏克さん

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 市民参加の演劇集団「横須賀市民劇場プロジェクト」が10月9日・10日、横須賀市文化会館(横須賀市深田台)で旗揚げ公演「はるなつあきふゆ」を行う。横須賀演劇鑑賞会が共催。

「はるなつあきふゆ」の上演ポスター

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 上演作品は劇作家・別役実さんの脚本で、終戦直後の昭和20年代を時代背景にした家族ドラマ。桜満開の春のシーンから始まり、四季の移り変わりとともに商社マン一家の家族模様を描く。妊娠した女学生の娘、自殺願望をもつ息子…。死にたいと叫びながらもなかなか死ねないくず拾いの「ばた屋」など、周囲の人々とのやりとりがコミカルに演じられる。四季折々のシーンには唱歌のメロディーを散りばめ、戦後の庶民生活の様子や家族が崩壊していく姿を描いた社会派作品。演出は羽賀義博さん。

 同プロジェクトは、横須賀の芸術文化の活性化を目指して昨年12月に結成。「プロジェクト夢樹」の吉本敏克さん、「劇団夢儒」の今井恵さん、「舞台巧紡・彩(あや)」の羽賀義博さんら3人が共同代表となり、役者・スタッフを市民から公募して旗揚げした。今年3月からワークショップを数回開き、5月に作品・キャストを決めて舞台けいこに入ったという。参加メンバーは18~72歳と幅広い世代が集まり、出演者17人のほかスタッフ・サポーターを含めて総勢49人。

 発起人の吉本さんは横須賀高校演劇部出身で今年72歳。50年以上も演劇の道を歩んできたが、6年前に胃ガンを患って活動を一時休止。昨年ようやく体調を回復して「再び演劇の虫が騒ぎ出した。心機一転して市民参加の新たなプロジェクトを立ち上げた」と振り返る。

 「ワークショップでは舞台作りの喜びや厳しさも実感してもらえた。その成果を演劇上演で発表したい」とし、「現代の世相や家族の姿を見直しながら、生の舞台を皆さんに楽しんでもらえたら」(吉本さん)と話す。

 開演は、9日=19時、10日=14時。入場料は2,500円(同市内ヨコサンスーパー・行政センターなどに置いてあるチラシ持参で1,500円)。

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