三浦半島を拠点にするアプリレーベル「onTheHammock(オンザハンモック」(三浦市初声町)は10月下旬、三浦半島に伝わる怪談をモチーフにした短編集「三浦怪談」の電子書籍をリリースした。
同書は、三浦市在住の作家・杉背よいさんの短編集。江戸時代に浦賀の浜辺で発見されたといわれる怪魚「鳳そう魚」の伝承をベースにした短編「占う魚」、 南下浦町雨崎と房総半島の間を行き来する大蛇や男女の出会いを描いた「雨崎」、城ヶ島に伝わる舟の幽霊「しきぼとけ」など7篇を収録。「怪奇伝承地図」も掲載する。
杉背さんは図書館司書の仕事をする傍ら、三浦半島各地の伝承を調べるうちに怪談に興味を持ったという。 土地の特色に影響を受けた怪談・小説を創作し、共著に「てのひら怪談 壬辰)」(ポプラ社)などがある。
表紙イラストは、香川県の妖怪絵師・柳生忠平さん。三崎で杉背さんと対談して意気投合し、短編「占う魚」をモチーフにした怪魚を描いた。
杉背さんは「伝承や歴史を調べていると、私のなかで疑問が浮かぶことがある。その後どうなったんだろうとか」といい、イメージをふくらませていくうちに「(怪談)小説が作られていく」と創作の動機を明かす。
電子書籍(Kindle版)の価格は100円。アマゾンで購入できる。10月25日にはiPhoneアプリ版も発表した。