島内火災の影響で欠航になっていた横須賀沖の無人島・猿島航路が9月27日、約1カ月ぶりに再開された。当日は小学生グループや観光客など約300人が島に渡り、島内の自然散策を楽しんだ。
8月29日夜の火災で全焼したレストハウス物販棟跡はがれきが撤去され、現在更地になっている。管理棟の自然循環式エコシステムを活用したトイレ浄化槽が被害を受けて使用できないため、現在は仮設トイレが置かれている。ボードデッキの売店も営業を再開した。
島内散策の一環として、今月から毎週土曜・日曜にはボランティアガイドが常駐し、当日受付で島内ガイドツアーも実施する。同島を管理する横須賀市緑地管理課は「建物の再建など全面的な復旧は来年夏頃までかかる見通し」だという。防火対策が整うまでの間、バーベキューなど火の使用は見合わせることになった。10月には島で防火訓練も予定する。
11月9日・10日の「よこすか産業まつり」開催に合わせ、乗船料半額キャンペーンを実施。同期間中、市民グループらがエコや食育をテーマにした「猿島再生イベント」企画も始動し、地元漁師らと猿島わかめ種付け体験、三浦半島グルメ弁当コンテスト、海辺の自然観察会などの準備を進めている。来春へ向けて、地元・馬掘中学校の生徒らによる猿島活性化プレゼンテーション、多摩美術大学(東京都世田谷区)の美大生らとのコラボイベントなども検討中だ。
同航路を運営し猿島公園を委託管理しているトライアング・鈴木隆裕専務は、「インフラが整備されるまで時間はかかるが、これを機に無人島本来の自然を楽しめる環境作りを見直していきたい。市民の皆さんのアイデアも募集している」と話す。