創業140周年を迎える老舗百貨店「さいか屋横須賀店」(横須賀市大滝町)は現在、記念企画「ヨコスカ写真展」を開催しており、明治期からの歩みや大正期のデザイン包装紙、懐かしい街並み写真など約70点を展示している。16日まで。
「5・15事件」(1932年)に関与した青年将校の護送に使われたさいか屋車両
同店は1872(明治5)年、同市本町で「雑賀屋呉服店」として創業。写真展では創業当時の写真や時代ごとの店舗の移り変わり、関東大震災、昭和初期の仮装パレードの様子なども紹介。会場では、古い蓄音機用レコードに録音された社歌が流される。
資料を整理する過程で見つかった旧海軍の山本五十六・連合艦隊司令長官の手紙を初公開。1932(昭和7)年に起きた「5・15事件」で、関与した青年将校たちを旧海軍横須賀鎮守府に護送するために徴用された同店車両など貴重な写真も展示する。
2年半前に大通り館閉鎖で販売中止になった「さいか屋まんじゅう」(9個入り、500 円)を大正期の復刻包装紙に包み、16日まで1日限定200点販売。
創業記念日の20日には、先着1,400人にさいか屋の刻印が入った焼き菓子を配布。同日、郷土史家・山本詔一さんによる講演会「横須賀の魅力」(13時~)を開催し、さいか屋と地元との関わりなどを紹介する。
同店長の杉浦正典さんは「地元とともに歩んできたさいか屋の歴史を振り返る企画をいろいろ用意した。これからも皆さんに愛される百貨店を目指していきたい」と話す。
創業祭では、北海道大収穫祭(17日~23日)を行うほか、19~21日には屋上にアドバルーン2個を揚げてPRする。