観艦式ウイークを迎えた横須賀では、全国各地から艦船マニアらが大勢集まり、夜の居酒屋などで交流会も行われ護衛艦乗組員らと民間交流するなど盛り上がりを見せている。同市内の横須賀本港・新港・長浦港・久里浜港には、観艦式に参加する艦船約30隻が各地から集結している。
今月5周年を迎えた横須賀風居酒屋「空母信濃」(横須賀市若松町1)では、海上自衛隊の艦船公開が始まった7日前後から、関東・関西・九州各地から大勢の艦船マニアらが集まって毎晩交流会などでにぎわっている。横須賀本港周辺では艦船公開や電灯艦飾(艦船イルミネーション)、体験航海なども行われ、14日にはいよいよ観艦式本番を迎える。
同店の店名は、戦前に横須賀で建造された大型空母「信濃」(72,000トン)に由来。オーナーの伯父が元乗組員だったことから、店内には空母設計図、戦艦武蔵・大和の士官室備品など旧海軍グッズや艦船模型などを展示。同店名物「軍艦メンチカツ」(600円)、米空母ジョージワシントンを模した陶器の皿に盛り付けた「刺し身盛り」(1,500円)などのメニューが人気。
艦船マニアでツイッター仲間だという20代・30代の男女6人グループは、大分・京都・千葉・東京などから集まってきた。うち4人が観艦式予行(体験航海)に抽選で当たり、2人は外れたが艦船公開・軍港めぐりなどを見学して観艦式ムードを楽しんだという。
大分から来訪したニックネーム・まきしおさん(27歳女性)は、「3年に1度の観艦式に初めて参加。その迫力に感動して大満足でした」と興奮気味。千葉から来たみかささん(28歳女性)は「惜しくも抽選に外れたが、体験乗船した仲間の楽しかったオーラが伝わってきて一緒に盛り上がった」とほほ笑む。
訓練を終えた護衛艦乗組員らが来店すると、店内の艦船マニアらが拍手で出迎え「お疲れ様でした」「ありがとうございました」と声を掛け、ビールで一緒に乾杯するなど和やかなムードが広がった。同店では、ツイッターの呼び掛けなどで観艦式艦船見学ツアー(7日)も実施、市内外から15人が参加したという。
同店オーナーの渋谷光則さんは「明治期から軍港として発展してきた同地で、横須賀らしい海軍風の雰囲気を味わえる店を始めた」といい、「最近はネットで調べて来店する県外客も増えている。自衛隊員や米軍兵士の常連客も多く、お客さん同士で楽しく交流してもらえたら」と話す。営業時間は15時~翌2時頃。